フォニックスとは
まずはじめにいきなり質問させていただきます。
フォニックスという言葉はご存知でしょうか?
フォニックスとは、簡単に言えば
「スペル(文字)と、読み方(音)のルール」
です。
日本語で例をあげると、例えばローマ字の「ka」。
日本語では”k”と”a”が組み合わさると「か」という音になります。
単語の読み方に苦戦する理由
日本人が英語の単語を読むことに苦戦する理由の一つとして、カタカナが挙げられます。
カタカナは日本語のフォニックスのルールを当てはめた上で英語の単語を読んでいることが多いため、実際の英語の発音と異なる場合が多くあります。
また僕たち日本人は、日本語のフォニックスのルールを無意識に英語の単語にも当てはめてしまうため、発音を間違えてしまいます。
具体的に見ていきましょう。
例えば
“gummy”
という単語。
知ってますか?
知らないと感じた方。
「小さい子がよく食べている、ガムと飴の中間のようなお菓子」
と説明すればどうでしょうか?(この単語を説明するということも英会話力を伸ばすためのテクニックの一つです)
そうです。
正解は「グミ」です。
日本語のローマ字読みをすればわかりやすいですよね?
g+uなので「グ」の音です。
mmyという繋がりは日本語にはないのですが、知っているカタカナの知識を使えば「ミー」と読むことはそこまで難しくないと思います。
しかし、英語の発音ではこの単語を「グミー」とは言いません。
発音記号で書くと/ gˈʌmi /「ガミー」という音に近くなります。
したがって、ほとんどの日本人が、アメリカ人から”gummy”と言われても理解することができません。
一方、”pen”という単語を見れば、ほとんどの人は「ペン」と読むことができます。日本語のフォニックスである、p+eが「ぺ」の音、nが「ん」の音というルールが英語にも当てはまるからです。
つまり、日本語と英語で共通するフォニックスのルールに関しては簡単に読むことができるのですが、「異なるものに関しては、意識的に学習しなければ無意識に日本語読みやカタカナ発音になってしまう」ということです。
フォニックスのルール
ではここからは簡単に英語のフォニックスのルールを見ていきましょう。
まず気をつけなければいけないのは、
「それぞれのアルファベットには2通りの読み方が存在する」
ということです。
二つと聞くとたくさん覚えないといけないように聞こえますよね。
しかし、安心してください。
二つのうちの一つは誰もが知っている読み方です。
それは、
「アルファベット読み」
です。
例えば、”a”は「エイ」”b”は「ビー」というように、アルファベットの歌で登場する読み方です。
そして、もう一つの読み方が、
「フォニックス読み」
つまり僕たちが学習するべき読み方です。
先ほどの例をもう一度使うと、”u”はアルファベット読みだと「ユー」です。
しかし、もう一つの読み方であるフォニックス読みの場合、驚いたときにでる「あ」と同じ、喉の奥から出すような「あ」の音です。
したがってgummyはg+u「あ」の音なので「ガミー」という発音になります。
もう1つ、フォニックスで一番有名なルールを紹介します。
それは
「マジックe」
聞いたことはありますか?
これは、
「単語の最後がeで終わる場合、eは読まずに、その前の母音をアルファベット読みする」
というルールです。
例えば”man”という単語。
/mæn/「マン」という発音になります。
aのフォニックス読みは発音記号からもわかるように、aとeの合体したような音、
「ア」のように口のを大きく開けて「エ」と発音する汚い「あ」
です。
なので「メェン」という方が近いかもしれません。
しかし、これが”make”という発音になると、「マケ」ではなく/meik/「メイク」になります。
これがマジックeのルールです。
通常aは/æ/の音になりますが、最後にeがあることで、最後のeは発音せず、その前の母音であるaがアルファベット読みの「エイ」にかわります。
その「エイ」にmの音が繋がり「メイク」という音になります。
(日本語のフォニックスルールで読むと「マケ」ですよね)
以上のように、フォニックスを学習することで、初めてみる単語でも
「意味はわからないが読むことはできる」
という状態を作り出すことができます。
これは単語学習において非常に効果的で、文字からだけでなく、音からも記憶に刷り込むことができるため単語学習の効率がアップします。
このように、フォニックスを学習することで英語学習の効率が格段にアップするので、まだフォニックスに関する知識が十分でない方は、まずフォニックスの知識を頭に入れてみましょう!
P.S.
フォニックスを一般の人向けに書いた本が、関先生の「世界一わかりやすい発音の授業」なので、発音に興味のある方は是非読んでみてください。
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